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試験片・治具・機械製作
TENSILE TEST PIECE
公園にあるブランコ,いったい何人の人が載ったら鎖が切れるのだろうか、そう思ったことはありませんか? 引張試験は,まさにそのことを調べる試験なのです。材料の強度を調べる試験の中で、最も基本的、且つ、最も重要なものです。試験片を試験機に取り付け、試験片が破断するまで引っ張って、荷重と変形量の変化を求めます。破断するまでの最大荷重を、試験前の試験片の断面積で割った値(応力)が引張強さで、その材料の静的強度と呼ばれています。
次に、針金を手に持って曲げた時を考えてください。少しだけ力を加えてから離すと針金は元に戻りますが、ぐっと力を入れて曲げると手を放しても元の形に戻りません。引張試験では,元に戻る,戻らないの限界の力(降伏点,もしくは耐力)を求めることもでき、元に戻る範囲を弾性域、元に戻らない範囲を塑性域と呼んでいます。また、引張試験は、疲労試験やクリープ試験の条件を決めるための予備試験としても、重要な役割を担っています。引張試験に限らず、材料試験では、出た値が材質や部品を問わず横並びで比較できなければなりません。そのためには、定められた形や寸法の試験片に品物を加工して試験する必要があります。試験片は様々な規格によって,形状や寸法が厳密に規定されています。
引張試験を行う上でその形状は試験規格(JIS、ISO、ASTM等)や材質等により決まっています。同じ材料を引張試験した場合,異なる形状の試験片を用いると、引張特性が異なってきます。試験片形状が引張特性に与える影響は、引張強さや耐力については小さく、伸びに対して大きな差を示します。例えば、丸棒形状と板状で試験を行った場合、引張強さや耐力はそのまま比較できても、伸びや絞りは比較できないということになります。試験片形状は素材の形により丸型、板型、パイプ形状などがあります。
引張試験片は機械加工により作製します。加工方法は丸形はNC旋盤、板型はフライスやマシニング、ワイヤーカットなどの加工機を用いて行います。この時、加工条件や加工後の表面粗さ、熱影響部などに注意する必要があります。
引張試験片の形状は引張試験を行う試験規格の中に含まれている場合があります。金属材料のJIS規格ではJIS Z2241、ASTM規格ではASTM E8/E8Mに試験片形状が規定されています。プラスチック材料ではJIS K7161、ASTM D638などがあります。
金属材料のJIS規格引張試験片形状にはJIS Z2241規格の場合、1号から14号試験片までの形状があり、この中にも直径や板厚により細かく分類されています。JIS14号A試験片の場合、KMTLでは試験片平行部直径がφ4からφ14まで6種類の形状を標準形状としています。
金属材料のASTM規格引張試験片形状にはASTM E8/E8M規格の場合、丸形では平行部直径がφ2.5からφ12.5まで5種類、板型では平行部幅が6.0mmから40mmまで3種類の形状が規定されています。
当社は、様々な引張試験片の加工から試験まで、ワンストップで受託できる数少ない受託試験会社です。規格準拠はもちろん、規格範囲外の特殊な形状の試験片加工、試験にも対応が可能です。また、試験片形状のみならず、豊富な経験と蓄積した知識から、実体形状ままの試験にも対応が可能ですので、是非一度ご相談ください。
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