IA/MS法を利用しやすい環境を整えることを目指し,市販GC-MS装置用のオプション機器のバリエーション強化に取組み中です.IAユニットの利点の一つは,平易な換装作業により市販GC-MS装置に目的に応じたユニットを取り付けることでGC-MS装置のアプリケーションを更に拡張できる点です.
本機器は「経済産業省 成長型中小企業等研究開発支援事業 JPJ005698」(通称:GoTech事業)の助成(令和6~8年度)を受けて実施中です.
【装置コンセプト・特徴】
・市販GC-MSでGC-IA/MS測定を可能にするユニット
① IA法により広範な有機化合物を網羅的に検出
② 数点の追加部品を市販GC-MSに常時取り付け
にすることで交換作業を簡素化
③ GC-MSの多彩なオプション機器
(パイロライザー等)が利用可能
・標準イオン源との切り替えが容易
④ 切り替え作業:10分程度
※真空の立ち下げ/立ち上げ工程は除く
現在までに,JMS-T2000GC-αに接続しての性能試験では,質量分解能で2.5~3万程度を確認しています.また,サンプル貸出先(JMS-T100GCV使用)でFI法と同程度の感度を確認しています.
本機器の開発は「経済産業省 戦略的基盤技術高度化支援事業 JPJ005698」(通称:サポイン事業)の助成(令和3~5年度)を受けて実施しました.
【装置コンセプト・特徴】
・ダイレクト質量分析に特化したシステム
① IA法により広範な有機化合物を網羅的に検出
② 定性~半定量分析に対応
③ 赤外ランプによる円滑な加熱/放冷サイクル
・GC-MS法とDIP-IA/MS法の切り替えが容易
④ 切り替え作業:10分程度
※真空の立ち下げ/立ち上げ工程は除く
・JEOL製GC-MS装置とのシステム連携
⑤ JEOL標準ソフトウェアによる昇温制御
⑥ DIP操作シーケンスによる動作管理
⑦ 昇温とMSデータの一元管理
【使用例】
●品管用途でのスクリーニング診断
1)規制成分対応
・RoHS指令
・REACH規制/SVHC
・グリーン調達関連 など
2) 原材料組成などロット管理
・異同識別
・不純物管理 など
●R&D用途でのマススペクトル
/発生ガス挙動の評価
・化学組成解析
・分子量分布計測 など
【概要】
精密質量による化学組成解析や末端構造解析にも対応するために開発中のユニットです.最新型のJEOL製TOFMS装置に対応することで,想定される質量分解能は2~3万以上,IA/MS法としては過去最高の質量分解能を目指しています.
【開発進捗】
2024.02月 ハードウェアが完成し,Liイオンのシグナル検出
2024.04月 内標ガスの[M+Li]+付着イオンを概ね想定する感度レベルで検出し,
一次性能試験(装置調整)を完了
2024.05月 外装カバー・配線類の取り付け,IA制御器による統合制御など接続調整
2024.06月~ 二次性能評価試験を開始
(DIP法による高沸点成分の検出,半定量分析,精密質量性能確認ほか)
2025.3月現在 予定よりも調整が長引いていますが,早期運用開始に向けて調整中.
感度が一桁不足しており,原因を調査中です.